「吸えない」から「吸わない」への転換
吸いたい・・もう吸えないんだ・・吸いたい・・もう吸えないんだ・・これだけに囚われていると、とてつもなく禁煙は苦しいものです。禁煙を成功している人の多くは、ここで発想の転換を行っています。
「どうしても吸いたければ吸う。でも今はまだ吸わない」、「吸えないではなく、吸わないだけ」、「我慢出来なければ吸うから禁煙ではない、休煙だ」・・・と。「吸いたいけど、後で吸うから今はまだいい」・・・と延ばし続け、吸わないまま2年経っている人も居ます。
これらの言葉・・吸えないと吸わないは似てるように感じますが、「吸えない」というのは自分に禁煙を強制されている言葉に感じるのに対し、「吸わない」というのは、吸う吸わないは自分の意思にあり、吸うことを否定していないので、気楽に感じます。
要するに、自分にプレッシャーを与えない発想で、自身をコントロールしていくということで、心からこういう発想になるよう、自分で自分をマインドコントロールしていくのも、禁煙中は非常に効果的です。
離脱症状が過ぎた頃の誘惑の1本
いざタバコを吸わなくなると、その離脱症状は2〜3日をピークに個人差によって1ヶ月以内には、ほぼ落ち着きます。その頃には、ニコチンもとっくに体からなくなり、タバコを吸っていたのが随分前のことのように感じるかも知れません。
しかし、数年〜数十年の間、毎日吸っていたタバコは、数ヶ月やめたくらいで禁煙成功とはいえません。なぜなら、離脱症状が落ち着いてから、定期的にやってくる「誘惑の1本」。
「どんな味だったかな」「もう止めてるんだから1本位試しに吸っても依存症にはならないから大丈夫」という衝動が、お酒を飲んだときや喫煙者の側に居るときなどに、禁煙者に何度も襲いかかります。そして、このたったの1本は、あなたの脳にニコチンによる快感物質による作用の心地よさを思い出させてしまいます。
吸ったその時はきっと「あぁ、やっぱもうマズく感じるなぁ、何でこんなの吸ってたんだろ。」と思うことでしょう。でもあなたのその思いとはうらはらに、脳はフラッシュバックを起こすのです。実際にその誘惑の1本で、2年間禁煙していた人がヘビースモーカーに戻ったという話もあります。せっかくニコチンから解放できた体を、再度ニコチン漬けにしないためにも決して誘惑の1本に負けないように頑張りましょう。
禁煙を始めたその日から、タバコによりニコチンに侵された体は、健康な体へと以下のように変化を始めます。もちろん個人差はありますし、体感できる事できない事がありますから、自分の変化を下の表と見比べていくのも良いですね。
・20分後 → タバコを吸うことで上昇した血圧や脈拍が正常に戻り、手足の体温も正常に戻る
・8時間後 → 血液中の酸素濃度が上昇して、呼吸が楽になります。
・24時間後 → 血液中の一酸化炭素濃度が正常になり、肺は不純物を除き始めます。禁煙の離脱症状はここから48時間がピークにあらわれます。
・48時間後 → タバコを吸うことで麻痺していた味覚や嗅覚が回復します。
・72時間後 → 喫煙による気管支の収縮がとれ呼吸が楽になります。このころには体内のニコチンも無くなります。2〜3週間後 体全体の血液の流れが改善し、歩行が楽になります。肺活量も増加します。
・4週間後 → 禁煙による離脱症状が軽くなり、ストレスも減ります。
・3〜9ヶ月後 → 咳の回数が減ったり疲れにくくなり、息切れも軽減します。 胃潰瘍・十二指腸潰瘍の再発率が1/3になります。
・1〜5年以降 → 肺ガン・心筋梗塞・脳卒中の死亡率が半分に減ります。喉頭ガン・口腔ガン・食道ガンのリスクが半減します。
(成功率99.9% 禁煙の本 参考)
禁煙者にとっては、つらい1日1日でもタバコを吸わなくなった体はこうして、1日1日確実にニコチンのない健康な体へと変化しています。せっかく頑張って数ヶ月我慢したのに、誘惑の1本でまたニコチン漬けの体に逆戻りしないように、気を抜かずに頑張っていきましょう。
一通り禁煙についてまとめてみましたが、それでもやっぱり一筋縄にいかないのがタバコ依存症です。それでももし今、禁煙しなくちゃ・・と思いながら喫煙をしているのであれば、その禁煙意識を色んなタバコに関するホームページなどを見ながら、どんどん高めていきましょう。
「タバコを吸わない」という事を継続していくために、気を紛らわす方法はあれど、それを実行していくのは自分の気持ちです。なぜタバコをやめたいのか?をしっかりと確認し、やめた後の開放感や沸いてくる自信、メリットを想像しながら、ニコチンを体から追い出すための離脱症状を、むしろ楽しみながら取り組んでみましょう。禁煙を通して、掲示板などで心強い仲間を見つけていくのも良いですね。
そうして禁煙1年が経ったあかつきには、周りの喫煙者は頑張ったあなたを羨望の眼差しで見ているはずです。もう禁煙のレストランに行っても、タバコが吸えないという事を気にせず食事に集中して楽しめます。映画館に行っても、途中で席を立つこともなく映画に集中できます。貴重な休憩時間をタバコにつぶされません。周りに気を使いながら、不自由な思いをすることもありません。タバコによる体調の不調もありません。さぁ思う存分、「吸わない生活」を楽しみましょう。