唾液の分泌量が減って、口の中が乾いた状態の事を云います。そう、ドライマウス(口腔乾燥症)は「病気」ではなく「状態」を指します。口の中が乾いている事によって、様々な症状が現れて日常生活に支障をきたします。
このドライマウス(口腔乾燥症)になっている人は年々増加しており、現在は大体800万人位の人が患っていると云われていますがドライマウス(口腔乾燥症)は自覚しにくい為、実際は3000万人の人が患っているのではないかと云われています。
補足の1つにセルフチェックを記述しています。これが全てではありませんが、代表的なものを載せました。いくつか該当する様であれば、ドライマウス(口腔乾燥症)を疑ってかかった方がいいかと思います。
(補足1)セルフチェック
01.口が渇く
02.口がネバネバしている
03.水を良く飲む
04.夜間にのどが渇いて目が覚める
05.乾いたものが食べにくい
06.食べ物が飲みこみにくい
07.口が粘って、もしくは乾燥していて会話を長く出来ない
08.口臭がある
09.入れ歯をはめていられない
10.舌が痛い、ザラザラもしくはツルツルしている
11.味覚がおかしくなったように感じる(補足2)唾液の働き
・食べ物のカスや虫歯菌を洗い流し、口の中を潤す
・食べ物を飲みこみやすくする
・食べ物の消化を促す・口の中を潤し、また舌の動きを滑らかにする
・口から入った細菌をやっつける
・口の中の傷を修復する
・溶けだした歯を修復させる
・食べ物を溶解して味覚を促進させる
<症状>
乾いた食べ物が食べづらい、食べ物が飲みこみづらい、口が渇いて会話がしづらい(長く続かない)、口臭が強くなった、口がネバネバする、(何度調節しても)入れ歯が合わない、味覚障害、口の中がはれている、舌がひび割れた、舌が痛くて食べれない、虫歯・歯周病・口内炎が増えた…など上記のセルフチェックとかぶりますが、様々な症状があります。徐々に症状が進行しているとなかなか分かりづらいものです。
<原因>
原因は色々ありますが、加齢、生活習慣(不規則な生活、辛いもの・ファーストフードを好む、口呼吸、喫煙など)、ストレス薬の副作用があり、病気ではシェーグレン症候群(※)や糖尿病などがあります。ドライマウス(口腔乾燥症)の症状を訴えた患者さんの数十パーセントの方が、実はシェーグレン症候群であると云われています。
※シェーグレン症候群自己免疫機能の異常による病気で、唾液や涙の分泌が減少する病気です。口や目以外にも、鼻、のど、肌が乾燥するといった症状も現れます。
<治療法>
ドライマウス(口腔乾燥症)では?と思ったら、まず歯科医にかかりましょう。今は、ドライマウス(口腔乾燥症)専門外来を設けているところも増えてます。原因によって治療法は異なるので、診察・検査を行って何が原因なのかを調べる事から始めます。
ですので、原因によっては他の科と連携を取って治療を進めていく事になります。もし、糖尿病など病気が原因であれば、まずその病気そのものの治療を行います。お薬の副作用ではないかと疑わしい場合は、他の専門の医師と相談し、薬の変更や服用量の調節を行う事になります。
ストレスであれば解消する様にリフレッシュ方法を見つける事や実施する事、生活習慣のせいであれば改善を図ります。原因が分かっていて治療をおこなっていても症状が改善されない場合には、症状を緩和させる治療を行います。
唾液を分泌させるお薬を処方したり、口腔保湿剤、うがい薬やトローチを利用したり、唾液が出る様にマッサージを行ったりします。前にも述べた様にドライマウス(口腔乾燥症)というのは中々分かりづらい症状でもあるので、「気のせいかもしれないし…」とか「こんな事で病院に行くのはなぁ…」と思っている人が多いと聞きます。
ですが、検査してみると、病気がにかかっていた事が判明したという事もあります。今は、オーラルケア商品も充実していますので、ともかく歯科に行って不快な状態を改善していきましょう。