DHAとはドコサヘキサエン酸のことで、EPA(エイコサペンタエン酸)と共にマグロ、カツオなどの目の周りやイワシ、サンマなどの青魚の魚油に含まれている高濃度不飽和脂肪酸です。不飽和脂肪酸の中でもオメガ3の基となるリノレン酸が体内でDHAとEPAに変化します。
DHAは人間に必要な必須脂肪酸のひとつで、あらゆる細胞(細胞膜)に存在し、特に脳、網膜、神経、母乳などに多く含まれています。昔からDHA=頭が良くなると言いますが、脳の脂肪には約10%〜20%のDHAが含まれています。
摂取したDHAは脳内に侵入して神経細胞を活性化させ、情報を伝える速度を速めます。つまり、学習能力の向上につながるのです。DHAは体内で合成できないので、食品から摂らなくてはいけません。
しかし、DHAは魚以外の食品で摂ることが難しく、魚にはDHAそのものが豊富に含まれているので、脳の発達に欠かせないDHAを効率よく摂取することができるのです。EPAが脳内に入れないのに対して、DHAは、脳内に入り活動をします。
人間の脳内には約140億個の神経細胞(ニューロン)が存在しており、脳の神経細胞(ニュ−ロン)は網の目のようにお互いがつながっています。ニューロンは情報を伝える為にそれぞれ突起を伸ばし、情報伝達を行っています。
この時DHAが必要となり、脳の発達や、情報伝達など、脳細胞を形成している重要な役割を果たしているのです。妊娠するとDHAは胎盤に多く含まれ、胎児の脳を中心に全身に運ばれます。出産後は母乳から送られるようになり、最近では粉ミルクにも入っています。
特に急いで脳を発達させなければならない胎児は、この時母親から送られるDHAが不足すると発育不全になると言われています。しかし、日本でも食の欧米化が進み、肉食が主流になっている為、脳だけでなく心の病にも関わってくることがわかっています。
<効能・効果>
DHAと言えば頭が良くなる効果があることはよく知られていますが、DHAが脳の神経細胞を活性化し、情報伝達をはやめることが学力の向上につながります。脳内のDHA量は増えることはありませんが加齢と共にその量は減少します。
DHAが減少すると、記憶学習能力が低下し、老人性痴呆症になりやすいと言われています。脳は活性すればするほど能力は向上するので、減少した分を摂取することでDHAが生き残った細胞を活性化し、痴呆症の予防にもなるのです。
また、痴呆症の原因は脳血管障害からも考えられますが、DHAには、赤血球や細胞膜を柔らかくして、どんな細い血管でもそれぞれが形を変えて血液の流れをスムーズにします。血栓を防ぐ事も痴呆症の防止になるのです。
血流を正常化し、血液の凝固を防ぐことは、心筋梗塞、脳梗塞の予防・改善になります。更に、肝臓の機能を活発にし、動脈硬化の原因である中性脂肪をつくりにくくし、燃焼させる為、血中の中性脂肪や悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やします。
糖尿病、ガン、アレルギー性皮膚炎にも有効です。DHAは、網膜にも約50%含まれているので、視力にも大きく関わってくるのです。