霊芝はサルノコシカケ科マンネンタケ属に属するキノコで、学名をGanoderma lucidumと言います。和名は万年茸(マンネンダケ)で、他にも吉祥茸、幸茸などの名前があります。霊芝は、一年生のキノコで、主に広葉樹の根元や切り株などに寄生して成長します。
中国では古来から不老の妙薬として珍重され、昔は日本や中国では天皇や皇帝への献上品とされていました。中国最古の薬物書「神農本草経」や「本草網目」の中でも人参とともに漢方薬の最上のものとされる上薬として記されています。
霊芝は一年に一度しか採れず、外殼が硬いため発芽しにくく、その上、生育場所や栽培条件が限られているので、天然の霊芝は大変希少です。産地や栽培条件によっても種類は異なりますがさらに形や傘の色によって分けられ、普段よく見る茶褐色の霊芝は赤芝です。
他にも黒、白、青、紫、黄色があり、日本では食用だけでなく、その色の美しさに目をつけ置き物としても飾っていました。中国で霊芝の薬効や有効性について本格的に研究が始まったのは1960年代に入ってからです。しかし天然のものを大量に手に入れることは困難でした。
そこで、人工栽培ができないかと試みられ、1973年に栽培に成功すると同じ頃、日本でも霊芝の人工栽培の研究が進められており温度、湿度、換気などの条件を満たすことで、人工栽培が可能になりました。それ以来、臨床実験の研究材料としても生産できるようになり研究が進むとともに、さまざまな病気に対する有効性がわかってきました。
霊芝は、血液を浄化し、血流を良くする作用があり、体中にきれいな血液を行き渡らせることが、体質を改善し健康な体を取り戻すと考えられています。
<効能・効果>
霊芝の有効成分となっているのは、植物性多糖類とトリテルペノイドです。多糖類はグルコース(ブドウ糖)が鎖状にいくつも結合したもので、結合によって働きが違います。霊芝の多糖類はβーDグルカンと呼ばれるもので、抗がん作用があります。
βーDグルカンは、がん細胞に直接働きかけるわけではなく、本来持つ免疫力を向上させることで、がん細胞の増殖を抑制し、死滅に導くというものです。また、「良薬は口に苦し」と言いますが、霊芝の苦味成分となっているのが多糖類とトリテルペノイドです。トリテルペノイドは霊芝の表面の成分で、ガノデリックアシッドと呼ばれ、肝機能の改善や、抗アレルギー作用があります。
霊芝は臨床実験から、生活習慣病にも効果的であることがわかっています。糖尿病は膵臓から出されるインスリンの不足によっておこる疾患です。食物中の糖は体内でブドウ糖にかわり、血液を通して筋肉や臓器に運ばれ、エネルギーに換えられます。
この時、インスリンは急激に血糖値が上昇するのを防ぎ、ブドウ糖を各細胞へ運んでいます。しかし、インスリンが不足すると、糖がエネルギーになれずに血中に溜まってしまい、血糖値があがり、糖尿病の原因となっています。
霊芝にはインスリン様の作用があるので、血糖値の上昇を抑えると考えられています。糖尿病は肥満とも関係しており、現代の食生活によるコレステロールや中性脂肪の増加は血液の流れを悪くし、血栓を招きます。
霊芝に含まれるステロールには、コレステロールや中性脂肪を取り除いて、血液をサラサラにするので、高脂血圧、高血圧、脳卒中、動脈硬化などの予防、改善が期待できます。