キャッツクローはアカネ科カギカズラ属の大本性大型蔓植物で、学名を「ウンカリア・トメントーサ」、スペイン語で「ウニャ・デ・カト」と呼ばれています。標高800メートルの南米ペルーの熱帯地方(アマゾンのジャングル地帯)に自生している植物です。
高さは10m〜30mの樹木で、黄色っぽい小さな花をつけます。葉の根もとに猫の爪のようなとげがあることから「キャッツクロー」と呼ばれ、日本語で猫の爪という意味です。
この植物の栽培には土の栄養が絶対条件で、周囲の栄養分がなくなるため、1hに2〜3本しか生育しません。その薬効は昔から知られており、奇跡の植物と言われ、インカ帝国の時代から先住民達は根や樹皮を煎じて飲んだり、万能薬として利用していました。
20世紀に入ると、ドイツのアルトゥル・ブレルがこの植物に注目してから、1970年オーストラリアのクラウス・ケプリンガーの研究が特許を取得し、1994年WHO(世界保健機構)に認定薬用植物となりました。
しかし、あまりにも世界中に広まりすぎて無計画に伐採されるようになったので、ペルー政府はこれを防ぐ為にフジモリ前大統領がキャッツクローを保護する法律を成立させました。国の厳しい管理のもとで栽培され、自らが先頭に立って年に100万本の植樹を行うなど多額の費用をかけ、キャッツクローの育成を行いました。
アメリカでは特に評価されており、常にハーブ製品の中でも売り上げは上位です。キャッツクローの樹皮には、イソテロポデイン、テロポデイン、イソミトラフィリン、ミトラフィリン、イソリンコフィリン、リンコフィリンの6種類のアルカロイドが含まれています。
アルカロイドは、植物中に含まれる塩基性の物質の総称で、免疫力を高め、身体に侵入してくるウイルスや細菌を殺菌し、抗ガン作用があることが報告されています。
また、イソテロポディンはキャッツクロー特有の成分で単独でも免疫強化作用がありますが、他の成分の相乗効果で人体の最大50%の免疫機能の向上すると言われています。
<効能・効果>
キャッツクローの成分で注目されているのが6種類のアルカロイドです。特にアルカロイド特有の成分であるイソテロポデインは免疫力を増強し、免疫機能であるマクロファージがウイルスやがん細胞を食べる作用(貧食作用)を活性化します。つまり、アルカロイドを摂ると体内の免疫組織が刺激され、病原菌に対する抵抗力を高めるのです。
ペルーではリウマチなどの特効薬として利用されており、植物性ステロールやキャッツクローの根や樹皮に含まれるキノビックアシットグリコサイドに強力な抗炎症作用が、リューマチや関節炎などの神経的な痛みを緩和します。
さらにアルカイドに含まれる5種類の成分にも抗リウマチ作用があることがわかっています。ミトラフィリン、リンコフィリン、ヒルスチンには血管拡張神経特性や高血圧の予防効果があります。筋肉内の血流を良くすることで柔軟性を与え、神経痛などの慢性的な痛みを和らげる鎮痛作用が働きます。
特に神経痛や腰痛に関しては有効性が実証されています。リンコフィリンには血小板の凝固や血栓の防止、動悸を抑える、コレステロールの低下作用があります。欧米やヨーロッパではエイズやガンの治療薬としての研究が続けられており、ガン患者に対しては放射線治療と併用して飲むと、抜け毛や吐き気などの副作用を軽減することがわかっています。