プルーンとは、西洋スモモの一種で、バラ科サクラ属に属する植物です。スモモといっても世界に2000種類あるといわれ、ヨーロッパ系・アメリカ系・アジア系に大別されます。日本のスモモはアジア系の”日本スモモ”と呼ばれるもので、プルーンはヨーロッパ系の”ドメスチカスモモ”と呼ばれるものです。
スモモを英語でプラムといいますが、海外では、プラムを乾燥させたものの中で特別なものをプルーンと呼ぶところもあり、全部のプラムがプルーンになるとは限らないようです。しかし、一般的には生をプラム、プラムを乾燥させたものをプルーンとしているようです。
原産地は、カスピ海と黒海に囲まれた西アジアのコーサカス地方といわれていますが、この地方は昔から長寿の人が多いと有名でした。そこから西に伝わり、はじめは、隊商の携帯食としてヨーロッパで普及しました。
その後、アメリカ大陸が発見され、アメリカへ移動する人々と一緒にプルーンもアメリカへ持ち込まれ、1856年、フランスの植木職人ルイ・ペリエがカリフォルにプルーンの苗木を移植したと言われています。それからプルーンの栽培は盛んに行われ、現在でもカリフォルニアがアメリカのプルーンの生産量の99%を占めており、アメリカは世界の70%のプルーンを生産しています。
プルーンの木は高さ3〜8mの落葉樹で、植樹後4〜6年で実をつけ、早いものは8年程で実が成熟します。春に白い花をつけ、果実は6〜7月にかけて熟し、収穫されます。その後30年は良質の実をつけ続けるという、まさに”奇跡の果実”なのです。
日本へは明治初期頃、欧米から導入されたといわれていますが、プルーンは雨に弱く、収穫の時期がちょうど雨の多い梅雨と重なる日本では、栽培が困難でした。最近では技術も進み、栽培地は限られているものの大玉品種などの開発も行われ、、プルーンの栄養価の高さが注目されるようになりました。
<効能・効果>
プルーンには、カロチン、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛など豊富なミネラルが含まれています。特に注目されている成分は鉄分です。鉄分は人間の生命に不可欠なミネラルで、赤血球や筋肉組織に存在し、酸素を運ぶ重要な役割をもっています。
鉄分はほとんどが出血などで失われており、体内で生産することは出来ないので、食品から補給しなければなりません。男性はほぼ食事で補給できているものの、女性は生理や出産などで大量に失うため、ほとんどの人が不足しています。
鉄分が不足すると、赤血球をつくることができないので、貧血を起こしてしまいます。鉄分はヘム鉄と非ヘム鉄2種類にわけられます。ヘム鉄はレバーなど動物性に由来するもので吸収されやすく、非ヘム鉄は植物性に由来するもので吸収されにくい物質です。
プルーンは非ヘム鉄ですが、ビタミンCや有機酸を含んでいるので、吸収率を高めることができ、貧血予防に効果的です。食物繊維は硬い便に水分を与え、量を増やして便秘解消になり、発ガン性物質などの不要物を体外へ排出する働きがあります。
豊富なミネラルやビタミンには骨や皮膚を健康に保ち、血管を強化する働きがあります。ビタミンEには抗酸化作用があり、血液の流れをよくするので、肩こり、冷え性、頭痛などの予防になり、ビタミンAは皮膚や粘膜の健康を保ちます。近年、ポリフェノールが含まれていることが注目され、ガンなどの予防にも期待されている食品です。