オオバコは、オオバコ科オオバコ属の多年草で、主にアジアを中心に自生しており、日本各地のあちらこちらの道端などで見かけられます。葉が大きいことから「大葉子」と名づけられました。中国では牛車や馬車が通る道沿いに生えていることから「車前草」と呼ばれ、日本薬局方にも登録されています。
種子は「車前子」と言い、昔から薬草として利用されていました。地方によってはオンバコ、カエロッパ、ギャーロッパ、スモウトリグサなど様々な方言で呼ばれています。
学名はPlantago asiatika 英名はPlantainです。Plantaと言うのはラテン語で足の裏を意味します。オオバコは風媒花(風に飛ばされて受粉する花)で、4〜9月が開花期です。葉の間から花茎を伸ばして、上部に白い小花をつけます。
花は薄紫色の葯を4個の萼片と1個の苞が包み花茎の下から順に咲きあがります。蕾から柱頭がでて、成熟した雌しべが芽を出します。
<雌性期>その後、4本の雄しべが現れます。
<両性期>そして、雌しべが枯れて
<雄性期>蓋果(他で言う果実)が実をつけます。この蓋果の中に種子が入っています。
漢方で種子は咳止めや利尿作用があるとして利用されてきました。オオバコは10〜30センチ位までしか成長しないので、他の植物と一緒に生えると日光が当たらず、消滅してしまいます。
しかし、オオバコの種子には多糖類が含まれており、雨や水でぬれると粘液を出して人や動物の足の裏などについて運ばれます。踏みつけられても丈夫な植物で、逆に踏まれないと、繁殖できません。
ですから、人や車の通る日当たりの良い道端などに見られることが多いようです。オオバコ茶はこのオオバコを根から抜いて、きれいに洗って天日干しさせ、葉と茎だけを乾燥させ、刻んだものです。
<効能・効果>
オオバコの成分を見てみると、全草にアウクビン(アルカロイド)やプランタギニン。種子には、プランタギニン、ホモプランタギニンなどのフラボノイドやプランタザン、アウクビンなどの粘膜物質、コハク酸(有機酸)、コリン(ビタミン)などが含まれています。
全草は乾燥させたものを細かく刻んでお茶のように飲むと、むくみを解消し、腫れ物には生の葉をあぶって、やわらかくなったものを貼ると、腫れを抑えます。他に健胃、強壮作用、心臓病、喘息、目の疲れ、関節の痛みにも効果があります。
咳や痰が止まらないときは、種子を煎じて飲むと、アウクビンやプランタギニンの鎮咳・去痰作用が働きます。また、アウクビンには抗炎症や尿酸の排泄を促す作用があるので、利尿、解熱、口内炎にも有効的です。
その他コリンは高血圧を予防します。最近ではダイエットなどにも利用されていますが、オオバコ科のサイリウムという植物の種子の外皮からとった食物繊維で、水溶性と不溶性があります。水溶性の食物繊維は水分を吸収して、胃の中で30倍に膨れ満腹感を得ます。
さらに便のかさが増し、柔らかくなるので便秘改善になります。同時に善玉菌を増やし有害物質を排出してくれるので、腸内細菌のバランスを整え、大腸がんにも有効的です。コレステロール値が高い場合は、食物繊維が脂肪を吸着して、コレステロール値の増加を抑えます。
不溶性の食物繊維は摂取した食物が胃に停滞する時間(食物の消化)を遅らせて、急激な血糖値の増加やインシュリンの分泌を抑制する働きがあります。しかし過剰に摂取すると下痢などの症状があらわれるので、摂りすぎには注意しなければいけません。