人間や動物は骨で体を支えていますが、植物には骨格はありません。しかし植物が風に吹かれても倒れず立っているのは、細胞がしっかりとした壁(細胞壁)で出来ているからです。その細胞壁を構成しているのがヘミセルロースと呼ばれる高分子多糖質で、米ぬかなどに含まれる食物繊維の一種です。
稲や小麦などイネ科の植物の種皮を構成する種子に含まれる保護物質で、ヘミセルロースの主成分がアラビノキシランです。ヘミセルロースの主な成分がアラビノースとキシリロースであることからアラビノキシランと呼ばれています。
一般的にアラビノキシランと言うと活性作用を持たない食物繊維のことで、食物繊維の働きしかしません。しかし、ヘミセルロースBにしいたけ菌の酵素(炭水化物分解酵素)を作用させると、米ぬかアルビノキシラン誘導体(バイオブラン)となり、免疫細胞の賦活作用を持つ活性物質へと変わるのです。
アラビノキシランは分子構造が大きいので、そのままでは吸収されません。しかし、しいたけ菌に由来する酵素を培養することで酵素が食物繊維を分解し、低分子化するので、吸収されやすくなります。
低分子化しても、その大きさは様々で小さいものは血中に吸収されて、免疫細胞を活性化し、大きいものは食物繊維としての働きをします。酵素を培養することで現れるもので、自然界には存在せず、米ぬかを食べても同じ効果は得られません。
また、体内に入ってきたものを異物と判断し、それを攻撃する指令がでない限り活性は起こりませんが、アラビノキシランは五単糖なので多糖の中でも特殊な構成です。私達の体内には普段ブドウ糖など六単糖の多糖しか取り入れない為、五単糖の糖が入ってくると異物と判断されます。
そうすると、マクロファージやNK細胞が活性化され、自然治癒力(免疫力)を高めるというものです。このバイオブラン(米ぬかアラビノキシラン誘導体)」の免疫賦活効果については、1994年から本格的に基礎実験が始まり、米国UCLA/DREW医科大学のM.ゴーナム博士らによって臨床実験が行われ、優れた効果があることが報告されています。
<効能・効果>
私達はもともと細菌やがん細胞を発見すると、攻撃して撃退する力を持っています。しかし、ストレスや加齢などによって、その力が低下すると病気やがんの進行を早める原因となります。アラビノキシランは、低下した免疫力を高め本来持つ自然治癒力を高めてくれるものです。
末期がんの場合でも免疫機能を高めて体全体の状態を整えていくことが末期がん患者のQOL(Quality Of Life)向上や再発の予防、遅延につながっていくと考えられています。現在アメリカを中心に日本でも研究が続けられており、アラビノキシランの有効性が報告されています。
最近ではNK細胞の標的細胞に対する認識や細胞障害を起こす原因もわかってきました。アラビノキシランを投与することで、標的細胞へ結合する確率が高まることもわかっています。
アラビノキシランは小腸まで消化されずに、腸壁に進入し、特に白血球のマクロファージやNK細胞に働きかけ、白血球を増やし活性化させて免疫力を高めます。NK細胞に限らずB細胞やT細胞も活発にし、B細胞は抗体を放出して感染を防ぎ、キラー細胞はアラビノキシランに刺激され、サイトカインを分泌することによって免疫機能を調節します。
マクロファージは活性化されると、血液をきれいにする作用もあり、吸収されない食物繊維は消化されずに腸をきれいにしてくれます。具体的にはガン、白血病、糖尿病、前立腺肥大、高血圧、アレルギー、動脈硬化、リウマチ、リンパ腫、血栓、ウィルス性肝炎などに効果が期待できます。