子宮内膜症は、本来子宮の中にある子宮内膜が、なんらかの原因で子宮外に増殖し、出血を起こすものです。子宮内膜は月経周期を経過して増殖しますが、妊娠が成立しなければ剥脱(はくだつ)し、月経血として体外に排出されます。
子宮内膜症も子宮外で月経と同じように出血しますが、溜まって炎症をおこしたり、周囲と癒着(ゆちゃく)するため、痛みが生じます。
月経痛と同じように腹痛や腰痛があり、排尿時などの下腹部痛がおこります。子宮内膜症の中でも、子宮筋層の中に増殖したものを子宮腺筋腫といい、過多月経や強い月経痛などの症状がおこります。
<検査法>
検査は超音波検査、MRI、腹腔鏡検査、血液検査を行います。内膜症の多くの場合、血液検査でCA-125という腫瘍マーカー値の上昇がみられます。腹腔鏡は、腹部から内視鏡を通して、内膜症の有無や拡がりを調べるものです。薬物療法が効かない場合は、腹腔鏡手術を行うこともあります。
<治療法>
治療は薬物療法と手術がありますが、年齢、症状、この先妊娠を希望するかによって異なります。薬物療法は、GnRHアゴニストというホルモンが主に使用され、6ヶ月間月経を止めて、病変を萎縮(いしゅく)させることで症状を抑えるものです。
同じようなホルモンにダナゾールがあります。また、ピルにより月経をとめることもありますが、いずれにしても副作用を伴います。薬物療法は一時的なもので再発する可能性もあります。
薬物療法が効かない場合は、手術による子宮や卵巣の摘出を行いますが、妊娠を希望している場合は、癒着(ゆちゃく)をはがすだけの手術を行います。