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腎臓の病気|ネフローゼ症候群

ネフローゼ症候群はネフロンの異常によって起こる症状です。通常、血液は糸球体(しきゅうたい)でこされる際、体に必要な、たんぱく質〈アルブミンなど〉は残るようになっていますが、ネフローゼでは糸球体に障害がおこって、たんぱく質がろ過されてしまい、尿中に排出します。

そのため、体内の血清たんぱく質量が減少して、血管内に水分をとどめることができなくなり、血管外にもれるため、むくみが生じます。むくみによって急激に体重が増加したり、尿量が減少します。

また、胸部や腹部に水が溜まったり、脂質代謝に異常がおこって高脂血症などを伴います。原因は慢性腎炎など糸球体そのものに異常がおこる場合と糖尿病性腎炎やエリテマトーデスなどの疾患からおこることもあります。

(1)微小変化群
糸球体を調べても変化はみられませんが、突然強いむくみが生じ、尿量が減少します。子供に多く、急性腎不全になることもあります。治療には副腎皮質ステロイドを使用します。

(2)膜性腎症
経過がゆっくりなので、初期は自覚症状がなく、気づかないことがほとんどです。徐々にたんぱく尿が増加して、むくみが生じます。自然に治癒することもありますが、難治性ネフローゼの場合は日常生活にも支障がでます。副腎皮質ステロイド薬の有効性は認められていません。

(3)膜性増殖性腎炎
比較的ゆっくり経過しますが、数年後には慢性腎不全に進行するケースが多くを占めています。子供から若い人に多く、早期であれば副腎皮質ステロイド薬の使用が有効です。

(4)巣状糸球体硬化症
ゆっくりと経過し、数年後には透析(とうせき)治療が必要となることがほとんどです。糸球体自体に変化は見られませんが、糸球体内部に硬化(こうか)が見られます。副腎皮質ステロイド薬は無効です。

<治療法>
ネフローゼは、尿中のたんぱく質が一日3.5g以上見られる場合に診断され、たんぱく質が尿中に大量に排出されると、表面に泡がたちます。食事療法としては、むくみを防ぐ為に水分と塩分を一日3〜5g程度に制限し、たんぱく尿が多い時には低たんぱく食を摂ります。

また、薬物療法は、利尿薬、免疫抑制剤、抗血小板薬、ビタミン薬などを使用し、一部のネフローゼーゼに対しては、副腎皮質ステロイド薬を使用します。

<予防法>
血清たんぱく質には免疫に関与するものも含まれているため、減少すると抵抗力や免疫力も低下します。そのため、ネフローゼ症候群と診断されたら、細菌感染しないようにうがいや手洗いはもちろん、人が多く集まる所は避けるなど、気をつけなければいけません。