腎臓の機能が数年かけて徐々に低下する病気です。腎臓の病気からくるものと、他の病気から合併するものがありますが、多くは慢性腎炎や糖尿病性腎炎、腎硬化症などから続発したものです。
発症してしばらくは、自覚症状がないので早期発見が難しく、だるさなどの症状があらわれる頃にはすでに進行しています。徐々に腎臓の機能が低下し、ろ過作業に異常がおこると、尿中に排出されるはずの老廃物が血中に貯留(ちょりゅう)するようになります。
もともと腎臓では窒素など体内に不要な代謝産物を排出するように仕組みになっているため、これらの毒素は血液を通して全身を循環するため、意識障害、高血圧、呼吸困難、吐き気、嘔吐、貧血、出血、不整脈など尿毒症の症状があらわれます。
<検査>
診断は血清クレアチニン濃度を測定します。正常は2mg/dl以下で、それ以上になると慢性腎不全と診断されます。
確実な判断にはクレアチニン・クリアランスというクレアチニンを尿中に排出する働きを計算式で表したものをもちいます。腎機能に障害があれば、クレアチニン・クリアランスも低下します。
<治療法>
急性腎不全は、適切な治療を受けることで腎機能はほぼ回復しますが、慢性腎不全の場合、元の状態に戻すことは困難なので、進行を遅らせることで目的に治療を行います。
尿毒症の症状にはそれぞれ薬剤を使用し、食事は高血圧に対して高たんぱく食、食塩を控え、血圧を下げる為に降下剤を用います。また、末期の腎不全には血液を浄化する透析(とうせき)療法を行います。