むくみ、高血圧、血尿、蛋白尿などの症状が長期間続く慢性糸球体腎炎(まんせいしきゅうたいじんえん)です。子供や若い人に多く、腎臓疾患の中でも多くを占めていますが、原因ははっきりしていません。
急性腎炎から慢性腎炎になることは少なく、初期では自覚症状がないので、学校の集団検診で検尿を受けた際に発見されることがほとんどです。
【IgA腎症】
体内に入ってきた異物〈抗原〉に対してつくられた抗体IgAという免疫グロブリンが、糸球体内のメサンギウムに沈着した病気です。遺伝、免疫異常などが考えられていますが、原因は不明です。
初期の自覚症状はなく、進行するにつれて高血圧やむくみがあらわれます。ほとんどは自然に治癒しますが、20〜30%の割合でネフローゼ症や腎不全に移行することが分かっています。血尿のみなら、特に治療は必要ありませんが、定期的に検尿を受けなければいけません。
ただ、たんぱく尿が増加したり、高血圧、クレアチニン・クリアランスの数値の低下がある場合は進行性の可能性が高いため、腎臓に負担をかけないように激しい運動は控えたり、食事はたんぱく質を制限しなければいけません。