腹圧が上昇することによって、食道下端部や胃の上部の粘膜が縦に裂け、血管から出血することです。咳やくしゃみ、便秘、腹部の打撲などでも腹圧は上がりますが、ほとんどはアルコールの大量飲酒が原因で飲みすぎて嘔吐(おうと)する際に多く発症します。
嘔吐するときに胃に力がかかり、腹圧が上昇して胃食道の接合部付近の粘膜が裂け、出血します。嘔吐を繰り返すうちに胃の内容物と一緒に血が混じって吐血するようになり、嘔吐後にみぞおちに痛みを感じることもあります。お酒を飲まない人でも、暴飲暴食をしたり、妊娠時に嘔吐を繰り返していると起こります。
<治療法>
出血しても裂傷(れっしょう)が小さければ自然に治りますが、出血が止まらない場合は大量出血を防ぐためにすぐに診察を受けることが必要です。内視鏡検査で裂傷部位や状態、出血は確認でき、裂傷が大きければクリップで止血します。
それでも効果がない場合は、手術で裂傷を縫い合わせたり、胃を切除します。予防としては、アルコール飲酒を控え、便秘など腹圧が上昇する原因を避けることです。