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膵臓の病気|ペットボトル症候群

ジュース、コーヒー、スポーツドリンクなどを大量に飲み続けることによって、血糖値が上昇して起こる「急性の糖尿病」です。あまりこの病名は知られていませんが、実は、数年前から若い人の間でどんどん増えてきているのです!

「ペットボトル症候群」は俗名で、正式名は「ソフトドリンク(清涼飲料水)ケトーシス」と云います。ペットボトル症候群の名称の由来ですが、この病気を発症した人の多くがソフトドリンクをペットボトルで飲んでいた事からその様な名前が付けられました。

患者さんの中には1日に2〜3リットル飲む生活を送ってたそうです。この病気は10〜30代の男性に多いと云われています。これは、女性より男性の方が、人前でがぶ飲みするのに抵抗がない為ではないかと云われています。そして、何より問題なのは、"小学生と云った小さい子供"にもこの病気にかかっている事です。

<血糖値とその量を調節をするホルモン>
「血糖値」とは、「血液の中にあるブドウ糖」の事です。ブドウ糖は脳や心臓、手足などの筋肉を動かす為の大変重要な「エネルギー源」です。ブドウ糖は重要なエネルギー源ですので、多すぎても少なすぎてもいけません。

ですので、血糖値は丁度良い範囲の量に保たれています。その機能を果たすのはホルモンで、血糖値を上げるホルモンと下げるホルモンがあります。血糖値が下がると上げる為のホルモンが分泌され、血糖値を上げます。

逆に血糖値が上がると下げる為のホルモンが分泌され、血糖値を下げます。上げるホルモンはグルカゴンや成長ホルモンなど複数あります。一方、下げるホルモンは「インスリン」1つしかありません。

血糖値を下げる仕組み
心臓や筋肉の細胞にはその表面に「受容体」があります。形は鍵穴みたいにへこんでいます。インスリンはそれにはまる形になっており、インスリンが受容体にはまると、その細胞は血液中にあるブドウ糖を自分の中に取り込むのです。細胞に取り込まれた分、血液中のブドウ糖は減るので、「血糖値が下がる」という事です。(Aikul)

<原因>
市販されている飲み物には、かなりの糖分が含まれています。それを継続して大量に飲むと、血糖値が上昇します。血糖値が上昇すると、インスリンの分泌が低下したり、インスリンの効きが悪くなります。すると、ますます血糖値が上昇するといった悪循環に陥ります。

※血糖値が高くなると、のどが渇く→渇くのでソフトドリンクを飲む→また血糖値が上がり、のどが渇く→ソフトドリンクを飲むを繰り返し、悪循環インスリンが不足すると、ブドウ糖を細胞の中に取り込めなくなるので、ブドウ糖はエネルギー源として使えなくなります。

すると、ブドウ糖の代わりに、脂肪やたんぱく質を分解して、エネルギー源として使われます。この分解の際に、「ケトン体」という脂肪酸で出来ている成分が発生し、血液中に過剰に増えていきます。症状は、このケトン体が増える事によって現れるのです。ちなみに、このケトン体が血液中に大量にある状態を「ケトーシス」といいます。

<症状>
糖尿病の症状と同じです。のどが異常に渇く、飲み物を大量に飲む、トイレの回数が増える、体がだるい、体重が急激に減少する、といった症状がありますが酷くなると、意識が混濁する、昏睡状態に陥る、といった命に関わる危険な状態になります。

<予防>
この病気にかかった人の大半は、市販されているジュースやコーヒー、スポーツドリンクを飲むのが習慣になっているようです。ソフトドリンクを飲む事が悪い訳ではありませんので、「飲む量」を注意していきましょう。

まずは、その飲み物がどれ位、糖分が入っているかを知る事です。商品には成分表示が記載されているので、それで確認できます。商品には"糖質"もしくは"炭水化物"で載っています。そして、今まで飲んでいたソフトドリンクを、糖分が入っていない水やお茶に切り替えましょう。

とはいえ、いきなり切り替えるのは、なかなか厳しいでしょう。例えば、水かお茶しか飲まない時間帯を決めたり、ジュースが飲みたい時にはレモンを搾ったお水を飲むといった工夫をして、少しずつ切り替えてきましょう。

<(補足)ソフトドリンクの糖分>
一般成人が1日に摂取して良い糖分は50gまでと云われています。では、ソフトドリンクに入っている糖分はどれくらいなのでしょうか?コーラ、ジュース、缶コーヒー等のソフトドリンクの多くは、100mlあたり10g程度の糖分が入っています。

スポーツドリンクだと、100mlあたり5〜6g程度の糖分が入っています。500mlのペットボトルを飲んだ場合、コーラの類であれば50g、スポーツドリンクだと、約30gを摂取した事になります。もうこの時点で1日に取って良い糖分の量となっていますね。

グラム数だといまいちピンとこないかもしれませんので、スリムタイプのスティックシュガー(3g入り)の本数で例えてみると、コーラであれば、500mlはスティックシュガー約16本分、スポーツドリンクだと約10本分で。500mlでも、これだけあるのですから、もし1リットルや2リットルを飲んだ場合はすごい量になりますね。

また、ソフトドリンクには、「カロリーゼロ」をうたっている商品があります。カロリーゼロと聞くと、カロリーがゼロのだから、糖分も全く入っていないのだろうと思いますよね。ですが、実は違うのです!栄養表示基準では、"100mlあたりのカロリーが5kcal以下、糖質であれば0.5g以下であれば「ゼロ」と表示して良い"となっています。

勿論、本当にカロリーもゼロで糖質もゼロであれば、血糖値が上昇する訳ではありません。とはいえ、合成甘味料や他の成分も入っている訳ですから、ガブ飲みすれば体には良くありません。ちなみに「カロリーオフ」は"100mlあたりのカロリーが20kcal以下、糖質であれば2.5g以下であれば「オフ」と表示して良い"とされています。

スポーツドリンクや野菜ジュースであれば"健康に良いから。"カロリーゼロやカロリーオフであれば"カロリー無いし。"と良いイメージを持っている為に、沢山飲んでも問題ないと思っている人もいるかもしれません。ですが、実際は違っているのです。イメージに惑わされないようにしましょう。