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熱中症Search


熱中症

高温・多湿が原因で体温調節が出来ずに、頭痛、吐き気などの様々な症状が現れます。ここで注意したいのは、「室内」でも、「気温がそんなに高くない」場合でも、熱中症になりうるという事です。

以前に比べ、この事は大分知られる様になりましたが、まだ勘違いしている人がおり、この条件下で熱中症にかかる人が多くいらっしゃいます。熱中症は、重症になると「命を落としてしまう大変危険な病気」です。熱中症を理解してしっかり対策・予防をしましょう。

<原因>
熱中症はうまく体温調節が出来なくなる事で起こります。では、「体温調節」はどの様にしているのでしょうか?体温調節は以下の2点によって行われています。

●血管を広げて沢山の血液を流し、皮膚表面の温度を上げ、その皮膚表面から外に熱を逃す。
●汗を出し、気化熱を利用して体温を下げる。(その汗が蒸発すると周りの空気の熱を奪う為、体温が下がる)

ですので、体温調整が出来る環境とは、下記の状態にあると云えます。
●気温<体温→皮膚から外に熱を逃し易い
●湿度が低い→汗を出しても、汗が蒸発する

という事は、湿度が高いと皮膚から熱を逃せませんし、湿度が高いと汗をかいても汗が蒸発しません。すると体内に熱がこもります。体内に熱がこもると、体のバランスが崩れてしまい、これが原因で、熱中症の様々な症状が現れるのです。

例えば逆もしかりで、暑かったりスポーツをすると体温調節機能が働き、汗をかきます。汗をかくと体の中の水分と塩分が取られていくのですが、取られた分の水分・塩分をキチンと補充してないと、体温調節の機能が低下し、これが原因となって熱中症になってしまいます。

なお、体温調節に影響が出てくる体温は「37℃以上」、湿度は「75%以上」と云われています。

<熱中症の種類と症状>
熱中症とは総称で、実際は熱中症には4種類にあります。また症状の熱中症対策として重症度)も3種類に分けられてます。
T度(軽症)…現場での処置で対応できる
U度(中等症)…病院にかかる必要あり
V度(重症)…入院して集中治療を受ける必要あり

T度(軽症)
<熱失神>
 ・症状…めまいや失神
 ・原因…直射日光や高温多湿の下で長時間行動をしていた事により、血管が広がって血圧が下がった為
 ・処置…体を冷やす

<熱けいれん>
 ・症状…痛みが伴う(お腹やふくらはぎの)筋肉のけいれん
 ・原因…水分を取らないで行動した為、又は、水分は取っていたが塩分やミネラルが不足した為
 ・処置…薄い食塩水やスポーツ飲料を飲む

U度(中等症)
<熱疲労>
 ・症状…大量の汗をかく、頭痛、めまい、吐き気、嘔吐、体がだるい。体温が39℃くらいまであがる。
 ・原因…大量の汗をかいた分の水分・塩分の補給が足らず、脱水症状が起こった為
 ・処置…病院にかかり、点滴などの処置を受ける。但し、病院に着くまでの間は体を冷やす事。

V度(重症)
<熱射病>
 ・症状…汗がでない、意識障害(反応がおかしい、意識混濁など)、皮膚が赤く火照った状態、体温が40℃以上上がる
 ・原因…体温調節機能がうまくいかず、体温が上昇した為
 ・処置…命に係わる危険な状態なので、すぐに救急車で病院に搬送。但し、救急車が到着する間は体を冷やす事。

<処置>
涼しい場所に移動
・日陰、またはクーラーの効いた涼しい場所に移動しましょう。
・首元や体を締め付けているボタン、ベルトなどを外して、風通しを良くし、体を休めましょう。

体を冷やす
・左右の首筋、ワキの下、脚の付け根の6箇所を冷やすと効果的です。
・氷のうや水でぬらしたタオル、冷えたペットボトルや缶を使うとと良いでしょう。
・それらを使って冷やす事が出来なくても、うちわやタオル等を使って風を送るだけでも効果はあります。

水分、塩分の補給
・お水だけだと塩分が摂取できないので、スポーツドリンクにて補給します。
・スポーツドリンクだからと言って、一気に多量を飲むのは逆効果です!(低ナトリウム血症を招きます)何回も小分けにして補給しましょう。

・スポーツドリンクがない場合は、お水に塩を混ぜた食塩水で補給しましょう。
※ちなみに、スポーツドリンクは、お水100mlに対し、40〜80mlのナトリウム(塩分)が入っているものが推奨しています。食塩水は、お水1Lに対し、お塩1g〜2gで作るといいでしょう。

病院にかかる
・「熱中症かも…」と思ったり、上記の処置を行って症状が改善できない場合は、躊躇せず病院に行きましょう。
・「危険な状態」と思えば、救急車を呼んで病院に搬送してもらいましょう。

<予防>
睡眠を十分にとる
・寝不足、疲れていると熱中症にかかり易いです。寝不足や疲れを自覚している時は無理をしないようにしましょう。
・ちなみに二日酔いになると夏の暑さに対応できません。

吸湿(水)性、通気性のよい服装を心がける
・クールビズが許されているオフィスであればいいですが、そうでないのであれば、服の素材で工夫しましょう。
・今は機能性の高いインナーが増えて種類も充実してきした。

小まめに水分、塩分を補給する
・一気に取るのではなく、小まめに取りましょう。ですが、お水だけ飲むと塩分とのバランスが崩れて逆効果になるので、塩分も一緒に補給しましょう。

・スポーツドリンクを飲むと両方バランス良く取れます。もし、カロリーが気になる様であれば、水で薄めて飲むと良いでしょう。コーヒーなどカフェインが含まれるものは利尿作用があります。尿に水分を取られてしまうので、飲む量を気を付けましょう。なお、水分補給をビール等のアルコールで取るのは間違いです!アルコールで飲んだ水分より、多くの水分が体から排出されてしまいます。

外出する時は直射日光を避ける
・なるだけ日陰を歩きましょう。帽子や日傘等の小物を使うと良いでしょう。進化した日傘もあり、ファン(扇風機)付きの日傘が発売されました。
・また、日傘は女性がさしてますが、今は男性がさしてもおかしくないデザインの日傘が発売されています。男性もどんどん日傘を使いましょう。

冷涼グッズを上手く使う
・今、様々な冷涼グッズが出てます。オフィスシーンで使えるものも増えてきました。上手く使って快適に過ごしましょう。

暑さに負けない体力作り
・汗をかき易いと熱中症にかかりにくくなります。日頃からウォーキング等で軽い運動して、汗をかく習慣を身につけましょう。

<熱中症にかかりやすい状況>
これが絶対ではありませんが、以下のような状況の時には、注意しましょう。
・梅雨明け後・急に気温が上がった
・気温が高い
・湿度が高い(気温が低くても注意)
・風が弱いまたは無い
・午前中では10時頃、午後では13〜14時
・激しい運動や労働で体が熱くなっている時
・暑さに体が慣れていない