心筋に酸素や栄養を運んでいる冠状動脈(かんじょうどうみゃく)が動脈硬化などによって、細くなったり、完全に塞がって、十分な血液が運ばれないために心臓の細胞が壊死(えし)をおこした状態が心筋梗塞(しんきんこうそく)です。
発病すると数日で胸痛や息苦しさなどがおこり、次第に痛みは激しくなります。発病後数週間は急性心筋梗塞といい、発作が30分〜数時間続くようになり最も危険な時期で、ふとしたことで冠状動脈がつまり、死に至ることもあります。
痛みは狭心症(きょうしんしょう)以上で、吐き気、冷や汗、呼吸困難がおこり、数ヵ月後に再発することが多く、合併症を伴うこともあります。
<原因>
主に動脈硬化によるものです。動脈硬化は動脈の老化ですが、特に運動不足や動物性脂肪を含む食事の摂取が多い人は、血管に粥状の脂肪性物質が溜まり、血管を狭くします。
この状態が長く続くと血の塊をつくって血栓をおこし、激しい運動、寒暖の差、ストレス、睡眠不足、タバコなどが引き金となって心筋梗塞をおこすのです。また、高血圧や糖尿病も心臓に負担をかけることから発症の原因となることもあります。
<治療法>
心筋梗塞による死亡は発作後に起こる不整脈によるものが多く、心筋梗塞は発作後、迅速(じんそく)な応急処置が行われるかにかかっています。病院に運ばれると、冠動脈疾患治療室(CCU)に入り、入院が必要になります。
心筋梗塞に対しては、まず症状を抑えることと、予防することです。薬物療法は、血管拡張剤や心臓の負担を減らす薬を用います。また、外科療法には、狭心症と同じく※血管形成術やバイパス術が行われます。(※狭心症参照)