心臓は筋肉でできており、この筋肉を規則正しく動かしながら全身に血液を送っています。この筋肉の働きを拍動といい、洞結節(どうけっせつ)から出される電気信号によって調節されています。
この心臓のリズミカルな拍動が血管に伝わったものが脈として感じられ、脈の打ち方が乱れることを不整脈といいます。不整脈は加齢に伴っておこりますが、ストレスや過労によるものもあり、若いときでも激しい運動をした後は不整脈がおこります。
不整脈は健康な人にもおこりますので、ほとんどの場合は心配ありませんが、中には心臓の病気によっておこることもあります。突然、動悸がする、意識がなくなるなど何もしていないのに不整脈の症状が出る場合は、心臓に病気がないか検査を受けたほうがよいでしょう。
<種類>
(1)徐脈(じょみゃく)…脈が遅くなって、めまいや息切れがおこり、脈が途切れると、意識がなくなることがある。
(2)頻脈(ひんみゃく)…脈が速くなり、動機、冷や汗、吐き気がおこり、ひどくなると、意識が遠くなります。
(3)期外収縮(きがいしゅうしゅく)…本来とは違うところから早く電気刺激が発生するため、不規則な拍動がおこるもので、心房から発生するものを心房性期外収縮(上室性期外収縮)といい、心室から発生するものを心室性期外収縮といいます。
自覚症状はないのですが、ひどくなると血圧が低下し、めまいや動悸がおこることもあります。
<治療法>
不整脈の9割は心配ないもので、残りの1割は心電図検査、胸部X線検査、血液検査、運動負荷検査、心臓電気整理検査の結果から治療が必要だと診断された場合です。
特に多いのが「心房細動」(しんぼうさいどう)で、左右の心房が洞結節(どうけっせつ)からだされる電気信号を無視して、リズムを崩し不規則に頻脈をおこします。不整脈の時間が次第に長くなり、持続的におこるようになると合併症を起こす原因となります。
最近では、カテーテルを用いたアブレーション法が主流になっており、頻脈に対しては高い確率で根治が望める様になりました。これは、足の付け根から細い管〈カテーテル〉を挿入し、心臓に達するとカテーテルの先端から高周波の電流を流して、頻脈を絶つというものです。徐脈に対しては、機械的に電気刺激を与える人工ペースメーカーが用いられています。