神経痛とは末梢神経の分布領域に発作的に強い痛みが生じる症状名になります。症状名というのは例えば頭が痛いことを頭痛というような事で正式な病名ではありません。また神経痛は痛みを発症させている原因をつきつめて、その原因の根本的な治療を行うことが重要です。神経痛の種類としては主には、
(1)「三叉神経痛」
(2)「舌咽神経痛」
(3)「肋間神経痛」
(4)「坐骨神経痛」
などがあげられます。
●三叉神経痛
顔の神経を脳に伝える三叉神経に痛みがおこります。三叉神経が圧迫されたり炎症を起こしたりすると、痛みが起こり、ヘルペスウィルスが原因のことも多いようです。通常は50代以上の女性に多く、冷たい水を飲んだりすることで誘発されます。
また痛みは右側もしくは左側の顎から耳にかけておこり、痛みの特徴的な表現として顎や歯肉に針を刺すような痛みとして、中には虫歯と間違えられて抜歯される事も少なくはありません。
●舌咽神経痛
咽頭を中心にビリビリとした強い痛みが発作的に起こります。ひどいときには上顎や耳の方にまで痛みが広がる男性に多く見られる症状です。原因としては正常な血管が舌咽神経を圧迫しているために起こります。
症状が特に重篤で、日常生活に支障の出る場合は根本的治療として、神経を圧迫している血管を引き離す手術を行うこともあります。
●肋間神経痛
肋間神経がはしっている肋骨に沿って痛みが生じる症状ですが、突然発作のように痛み短時間で治まる場合と慢性的に持続する場合があります。
原因は一般に外傷(骨折やヒビ)、外部からの圧迫、帯状疱疹、椎間板ヘルニアなどがあげられ、どれからきているのか原因を追究するのが重要になります。多くは片側だけにおこり、深呼吸や咳で痛みが増すので、しばし心臓病と勘違いされる方もいます。
通常数週間から数ヶ月で自然に軽快しますが、入浴療法や遠赤外線治療などで体を温めると、より改善を促進するようです。あまりにも長く痛みが続く場合は他の原因や疾患も考えられますので、定期的な診断を受けた方が最善です。
●坐骨神経痛
坐骨神経の通り道である臀部や大腿後面にビリビリと痛みがはしります。これもやはり筋肉による神経の圧迫や、椎間板ヘルニアなどの原因がほとんどです。女性は特に妊娠する事で、お腹の赤ちゃんが大きくなるにつれて神経を圧迫し発症する事もあります。
一般的に立ち上がる時や、たくさん歩いた時などに誘発しますが、症状のひどい時は足の裏やつま先までひどく痛むことがあります。坐骨神経痛も入浴などで患部をよく温めるのが効果的なようです。