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耳の病気|中耳炎

<急性中耳炎>
耳管は鼓膜の奥の中耳腔(鼓室)から鼻に通じる管のことで、急性中耳炎とは、風邪などで鼻やのどの炎症から増殖した細菌が耳管を通じて中耳腔に侵入し炎症を起こすことです。

特に乳幼児は大人に比べて耳管が大きく短いので、細菌が侵入しやすいため風邪をひくと中耳炎にかかりやすいのです。風邪の延長として起こる病気なので、高熱が続き、子供が手を耳にやる、泣き止まないといった時は中耳炎の疑いがあります。そのような行動を見逃さないようにしましょう。

症状は耳の痛みや聞こえにくい、耳がつまった感じです。中耳腔が腫れて膿を持ちますが、しばらくすると鼓膜が破れて自然に膿がでるので、そうなると痛みも緩和します。症状が軽い場合は抗生物質で炎症を抑えますが、膿がなかなかでないときは鼓膜を切開して膿を出します。鼓膜は切開しても自然に塞がるので心配はありません。

鼓膜が破れて耳だれがでると、熱も下がり痛みもなくなりますが、完治したわけではないので、必ず耳鼻科で診察を受けなければいけません。通常は10日程で完治しますが、膿が残ったまま放って置いたり、治療が遅れると中耳炎が悪化し、慢性中耳炎や滲出性中耳炎を起こして治癒が遅れます。

<慢性中耳炎>
急性中耳炎の治療が遅れたり急性中耳炎を繰り返していると、耳だれが続いて、鼓膜の孔が開いたままになり、慢性中耳炎を起こします。症状は耳だれ、難聴ですが、特に痛みや熱はありません。

耳だれは一時よくなりますが、風邪や鼓膜穿孔から水が入ると、再び耳だれが出て、繰り返すうちに炎症が耳小骨の周囲にまで及び、耳小骨に障害が起こったり、耳小骨が癒着(ゆちゃく)して固まり、聞こえにくくなります。慢性中耳炎の中でも真珠腫をつくっているものは耳だれに強い臭いがあります。

真珠腫は鼓膜穿孔から皮膚が袋状に入り込み、そこへ皮膚や脂肪分を含んだ分泌物が溜まり、白い塊を作ります。これがちょうど真珠のように見えることから真珠腫と呼ばれています。この塊は増殖し、周囲の骨までも溶かしてしまいます。放っておくと、中耳は脳とも隣接しているため次第に脳まで侵し、生命に関わります。症状は難聴のほか、めまいが起こります。

手術で鼓膜の穿孔をふさぐ鼓膜形成術や低下した耳小骨の働きを良くするための鼓室形成術がありますが、必ずしも必要というわけではありません。急性と同じく抗生剤の投与を行いながら、治療を行うことも出来ます。

真珠腫の場合は進行性のため頭蓋底におよんで髄膜炎を起こしたり、顔面神経におよんで顔面神経麻痺を起こすので、真珠腫を取り除かなければいけません。しかし、手術をしても再発する可能性が高く、聴力を取り戻すのが困難になるので、早期発見・早期治療が必要です。

<乳様突起炎>
乳様突起炎とは、中耳炎の治療の遅れなどから進行し、耳の後ろの突起した部分〈乳様突起〉に炎症を起こすことです。乳様突起の内部には乳突洞や小さな洞穴の集まりからなる乳様蜂巣があります。まれに中耳炎が悪化すると、中耳からつながるこの部分に感染して炎症を起こし、骨の中に膿が溜まって、耳の後ろが腫れあがります。

それによって耳介が前方へ押し出され、強い痛みや高熱、難聴が起こり、耳だれがでます。炎症を抑えるために感染源となっている細菌に対して抗生物質の点滴投与を行います。それでも治らなければ、手術で膿が溜まっている部分を切開して膿を排出します。

<滲出性中耳炎>
鼓膜の奥の中耳腔に液体もしくは粘り気のある液〈滲出液、貯留液〉が溜まり、音を伝える鼓膜や耳小骨の働きが悪くなり、難聴、耳のつまり感が起こります。幼児に多い疾患で、痛みや発熱がないので気づかないため要注意です。

原因は、中耳炎が完治しておらず中耳に液が残っていたり、アデノイドや扁桃腺(へんとうせん)などのリンパ組織慢性炎症がある場合です。また、風邪をひいて、のどや鼻の炎症がこれらのリンパ組織におよんで炎症を起こしたり、飛行やダイビングで急激に気圧が変化すると、中耳が気圧の調整不全を起こすことも考えられます。

滲出液(しんしゅつえき)の有無は外耳から鼓膜に圧力をかけて鼓膜の動きや滲出液の有無をみるチンパノメトリーという検査で判断されます。のどや鼻の炎症がある場合は、まずその治療をしなければいけません。それで自然に抜けることもあるので、しばらくは様子を見ます。

治療を行って完治しなければ、鼓膜に孔をあけたり、切開して溜まった滲出液を抜きます。それでも完全に排除できない時は、再度溜まることがあるので、滲出液の排出と通気をよくするために細いチューブを挿入することもあります。