気道が炎症を起こして狭くなり、通常では何でも無いような刺激でも過剰な反応を起こす為に咳が出ます。因みに一般的に「喘息」と云われているのは「気管支喘息」を指しますが、「咳喘息」と「気管支喘息」は別の病気です。咳喘息はここ最近 増えてきた病気で、原因はまだよく分かっていませんが、傾向としては下記に挙げた方にかかり易い様です。
●風邪がかかった(治った)あと
●アレルギー体質の人
●女性(男性に比べて女性の方が多い)咳喘息は「気管支喘息の前段階」と云われています。治療せず放置しておくとそのまま気管支喘息へ移行してしまうケースが多いようです。
<症状>
咳は3週間以上、慢性的に出るようです。夜から朝方にかけて咳(空咳)が出ますが、逆に昼間はあまり出ません。尚、熱や痰(たん)は出ず、気管支喘息特有の「ヒューヒュー」、「ゼイゼイ」と云った呼吸困難である発作もありません。こう云った点が気管支喘息との違いといえます。
<咳喘息の診断基準>
記の7つの項目すべてを当てはまっている場合、咳喘息と診断されます。但し、簡易的に「1」と「5」の2項目が当てはまっていれば「咳喘息である」と診断されることもあります。
1.喘鳴(ゼイゼイ・ヒューヒューと云ったなどの呼吸音)を伴わない咳が8週間以上続いている
2.今までに、喘鳴、呼吸困難などを伴う喘息にかかった事がない
3.8週間以内に上気道炎(かぜ)にかかってない
4.気道が過敏になっている
5.気管支拡張薬を服用すると効果がある
6.咳感受性は亢進していない(咳をしやすい状態にはない)
7.胸のレントゲンで異常が見つからない
<対策>
●タバコを控える(煙は気道を刺激します)。なお、人が吸ってる煙(副流煙)でも、自分が吸っているのと同じ事です。注意しましょう。
●アルコールを控える(アルコールに入ってる成分が気道を狭くさせます)。
●アレルギーの原因のものをなるだけ取り除く。小まめな掃除や、寝具の天日干し等を心がけましょう。
●温度差に注意する。季節の変わり目、朝晩と昼の気温差、屋内外の移動などには注意しましょう。服装も体温調節しやすい物にすると良いでしょう。
●休養、睡眠を十分にとる。身体を休め、体力(免疫力)を回復させましょう。なお、夜寝る時にマスクをするのも効果があります。
●ストレスを発散させる。気分をリフレッシュし、ストレスを溜めないようにしましょう。
<治療法>
気管支拡張薬、ステロイド薬(吸入タイプ、経口タイプと2通りあります)を使用します。ここで注意したいのは、この薬を用いて咳が止まったからといって、自己判断で止めないで下さい。自己判断して止めると、再発する可能性もありますので、必ず医師が指示した期間、薬を服用して下さい。
因みに、咳喘息の咳は、風邪薬、咳止め、抗生物質を服用しても、効果はありません。もしこれらの薬を処方されて咳が止まらないようであれば、「咳喘息ではないか?」と疑ってみて良いのではないでしょうか?なお、受診する医療機関は、呼吸器科もしくはアレルギー科です。