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肺の病気|気胸

気胸とは胸膜腔に空気が溜まり、肺がしぼんでしまう病気の事をいいます。簡単にですが、気胸に関わる範囲で構造の説明をします。肺は2枚の「胸膜」という薄い膜に囲まれています。

1つは、肺の表面を覆っている胸膜「肺胸膜(臓側胸膜)」で、もう1つはその周りを囲んでいる胸膜「壁側胸膜」です。この2つの胸膜の間には触れ合わないようにスペースがあり、そのスペースを「胸膜腔」と云います。

この胸膜腔には潤滑油としてほんの少し液体が分泌されています。では気胸となってしまう仕組みですが、何らかの原因で肺(肺胸膜)に穴が開くと、その空気が胸膜腔に漏れていきます。そして胸膜腔内の空気の量が増え、そのせいで肺は圧迫されていき、しぼんでいってしまうのです。

なので、息を吸っても肺は圧迫されている為に膨らみきないので、息苦しさを感じるという訳です。この病名はあまり知られてないですが、珍しい病気ではありません。

<症状>
特徴的な症状としては、息切れ、息苦しさ、運動すると息が出来なくなる、胸の痛み、咳が出る・・・といった事があげられます。初期症状では、肩こり、鎖骨の違和感、胸や背中の鈍痛という事もあるようです。色々と症状を挙げましたが、発病したからといって全く痛みを感じない人もいれば、気胸の程度は軽くても激しい痛み(症状)を感じる人もおり、さまざまです。

<種類と原因>
自然気胸
特定できる原因がなく、突然起こる気胸を自然気胸と云います。この気胸の特徴は、下記の2点が挙げられます。
1.前触れもなく激しい症状が現れる2.若い男性で、背が高く細い人に多い「1」ですが、例えば胸痛で云えば「刺されたような鋭い痛み」を感じるようです。

2.以外にもなりやすいと云われる人がいます。その人には肺に「ブラ」もしくは「ブレブ」と呼ばれる小さい袋を持っていおり、それが突然破裂してしまう事で自然気胸が起こってしまうそうです。「どうして袋が出来るのか」また「なぜ破れるのか」という理由は分かっていません。

肺は左右それぞれ1つずつあります。自然気胸の場合、通常は片方の肺でしか発症しません。ですが稀に、一度に両方の肺に発症する事があります。こうなると、命に係わる大変危険な状態ですので、早急な治療が必要です。

続発性気胸
この気胸も自然気胸の部類に入るのですが、肺気腫、肺がん、結核など、もともと肺の病気が原因で起こる気胸を続発性気胸と云います。このタイプの気胸は高齢の方に多いとされています。

外傷性気胸
怪我が原因で起こる気胸を外傷性気胸と云います。例えば、交通事故で肋骨が折れ、それが肺に刺さってしまう事で気胸が発症します。

医療性気胸
針を刺したりする検査や治療が原因で起こった気胸を医療性気胸と云います。

月経随伴性気胸
子宮内膜症が原因でおこる気胸です。子宮内腔を覆っている子宮内膜という細胞が、何らかの原因で横隔膜や肺に入り込み、それが月経の時にはがれ落ちる際に、その箇所に穴が開いてしまう事で気胸が発生します。

この気胸の特徴としては、「月経開始前後に発症する」、「右側に発症する事が多い」と云う事です。前記で症状を述べましたが、この気胸では特に肩や鎖骨の痛みを強く感じ、また悪化すると吐血する事もあるそうです。気胸は男性に多い病気ですので、女性で気胸にかかるとまずこの月経随伴性気胸を疑います。

緊張性気胸
胸膜腔に溜まった空気が、肺だけでなく「胸腔」内にある他の器官をも圧迫している気胸を緊張性気胸といいます。胸腔とは横隔膜から上の胸全体の事を指し、この胸腔には肺以外にも心臓、気管、大動脈、食道などが存在します。

症状が悪化し、あまりにも胸膜腔内の空気が溜まり過ぎると、漏れ出した肺の方を圧迫するだけでなく、気胸を起こしていない反対側の肺や心臓、また他の胸腔内にある器官をも圧迫してしまいます。この症状はとても危険な状態なので、すぐに治療が必要です。

<治療法>
自然治癒
初期段階の症状であれば、自然に穴がふさがる事も多いので、安静にして自然治癒する事を待ちます。漏れていた空気ですが、軽度であれば自然に血液の中に溶けて無くなっていきます。大体、1〜2週間程度で治ります。

胸腔ドレナージ
脇から胸膜腔に針を入れ、胸膜腔内の空気を抜き、肺が膨らみやすくさせるという治療方法です。穴がふさがるのは自然治癒などを含む他の治療となります。この治療方法は何度も再発しやすいというデメリットがあります。再発した気胸に対してまた胸腔ドレナージを行うと、さらに再発する確率が高くなります。何度も再発を繰り返す場合は、再発を食い止める為、手術を行う事が多いようです。

胸腔鏡手術
自然気胸を何度も繰り返したり、胸腔ドレナージにて治療してもなかなかな改善が見られない場合に、この手術を行います。自然気胸で述べた肺に出来ている袋を取り除いたり、開いた穴をふさいだりします。最近では、袋を取り除いた後の傷口にメッシュやのり(フェブリン)使って、傷口を覆って補強する方法も出てきてます。メッシュは1ヶ月位で表面に吸収され、肺の表面を厚くさせて丈夫にするというものです。※月経随伴性気胸の場合は、上記の治療と一緒にホルモン療法も併用する事が多いです。

<再発について>
自然気胸を起こした人は再発しやすいと云われています。胸腔鏡手術にて袋を取り除いた箇所が再発する確率は低いのですが、自然治癒で治った所は再発しやすく、又その他の場所に新たに袋が出来やすいという事が挙げられます。続発性気胸も再発しやすいと云われています。

この気胸は、元々持っている肺の病気が原因で気胸が起こるので、その病気が治らない限り気胸を起こすリスクがあると云う訳です。