紫斑(しはん)とは、主に下肢の皮膚にできる点状または斑状の出血のことで、アレルギー性紫斑病(シェーンライン・ヘノッホ紫斑病)と突発性血小板紫斑病があります。アレルギー性紫斑病は小児に多く、細菌感染(特に溶連菌)、ウイルス、食物、薬剤などによる血管炎が原因で腹痛や関節痛、血便などの症状がおこります。
突発性血小板紫斑病の原因は不明ですが、体内で血小板に対する自己抗体をつくり血小板を破壊してしまう自己免疫疾患、薬剤などが考えられています。急性は小児、慢性は成人女性に多く、皮膚や粘膜の出血や紫斑が全身にみられます。
<治療法>
通常、血小板数は15万ー35万/立法ミリメートルですが、10万/立法ミリメートル以下になると血小板の止血作用が低下し、血液が固まりにくくなります。急性は自然に治癒することが多いので、ほとんどの場合は経過観察です。急性から慢性へ移行する確率も高くありません。
慢性の場合は副腎皮質ステロイドを使用し、それでも血小板数が増加しなければ、血小板の破壊に関わっている脾臓を摘出することで、良好な経過を得る可能性が高くなりました。
<予防法>
出血しないように注意することです。特に脳内での出血には注意しなければいけません。小児は紫斑病にともなって腎炎を続発させることが多く、血尿や蛋白尿がみられます。ぶつけた覚えがないのに、紫斑ができる場合は早めに受診しましょう。