胃が正常な位置から下がり、骨盤まで垂れ下がった状態が胃下垂です。ひどい人では、へそまで達し、下腹部が出て上腹部が引っ込んでいるのが特徴です。痩せている人に多く、腹壁の緊張や腹壁の脂肪不足、筋肉の収縮、ベルトやガードルによる腹部の圧迫、腹圧の低下が原因です。
症状は一般的に無症状ですが、人によっては胃の辺りの不快感、少量の食事での満腹感、膨張感、胃もたれ、食欲不振、眼精疲労、腰痛が起こることもあります。胃下垂が原因で胃壁の筋肉がゆるみ、消化機能が低下した状態を胃アトニーと言いますが、消化不良を起こして、胃酸が過剰に分泌されるので胃炎や潰瘍を引き起こすこともあります。
<予防法>
検査はX線検査で診断できます。胃下垂は病気ではないので特に治療は行いません。胃下垂の人は痩せていて、腹筋がない人が多いので、腹筋を鍛えることもひとつの治療です。
胃下垂の症状は暴飲暴食、過労、ストレスなどから悪化するので、規則正しい生活を心がけ、しっかり睡眠をとり、体を休め、ストレスを溜めにようにします。また、食事も胃に負担をかけないようになるべく刺激の強いものは避けます。