痛風は血液中の尿酸値が高い「高尿酸血症」からおこります。尿酸は、細胞のなかにある核酸を構成しているプリン体という成分が代謝されてできる老廃物です。
しかし、プリン体を多く含む食品を摂取したり、尿酸の排泄がうまくいかないと血中に尿酸が増加します。溶けきれない尿酸は結晶化し、関節などに付着して炎症を起こします。名の通り、”風にあたっても痛い”ほどの激痛を伴いますが、痛みは数日で治まります。
しかし、何度も繰り返すうちに、関節の中の溜まった尿酸は次第に全身の関節に付着して広がり、塊となってあらわれることもあります。〈痛風結節〉
<原因>
高尿酸血症は痛風の予備軍です。遺伝的な体質に加えて、さまざまな誘因があります。尿酸が上昇する原因としては、プリン体の過剰な摂取や合成、排泄異常です。プリン体は、食品から摂取したものと激しい運動などによって合成されたものがありますが、これらの量が増加すると、肝臓で代謝される量も増えます。7
また、女性ホルモンは尿酸の排泄を促す働きがあるため、女性ホルモンの低下による排泄異常や肥満も関与しています。他にも飲酒や過労、ストレスなどが誘因となり、おこることもあります。
<予防法>
薬物療法としては、発作時に非ステロイド抗炎症剤などを使用する他、尿酸の産生が過剰な場合は尿産生成抑制剤を使用し、排泄に異常がある場合は尿酸排泄剤を使用します。その他、合併症予防として自己管理による血中尿酸値のコントロールが重要になってきます。
まずは食事ですが、肥満は尿酸の排泄障害の原因となるため、摂取エネルギーの制限を行うことと、プリン体を多く含む食品の摂取を減らすことです。水分は尿量を増やすために十分とらなくてはいけませんが、飲酒は避けます。激しい運動は逆効果ですが、適度な運動を行い、ストレスや過労を溜めないようします。