骨髄炎は骨の中にある骨髄に細菌が感染し、骨がおかされる病気です。感染経路には骨折や手術など直接骨が菌にさらされて感染する場合と、体の別の場所で起きた炎症から細菌が血液を通って骨に感染する場合があります。
感染した骨の骨髄内部には膿が溜まり、化膿して周囲の骨から分離された腐骨がみられます。原因となる細菌は黄色ブドウ球菌が多く、MRSAなどもあります。発熱に始まり、徐々におかされた骨の部分が痛み出し、眠れないほどの激しい痛みを伴うこともあります。
<検査法>
持続的な骨の痛みが続くときは骨髄炎が疑われます。骨髄炎は、初期には骨の変化はみられないので、X線検査では発見できないことがあります。診断にはMRI検査や骨シンチグラフィー(薬剤を注入して行う画像検査)を行います。また、血液検査では炎症があると、白血球やCRP(血中たんぱく質)の増加がみられ、赤沈値も亢進(こうしん)します。
<治療法>
菌の特定を行い、菌に適した抗生物質を数週間投与します。軽症であれば、これで治癒することもありますが、治療を受けるのが遅れたり、慢性化しているものは抗生物質では完治しません。ある程度炎症は治まり、症状は緩和してきますが、骨の中には膿が溜まった状態なので、その場合は手術で骨を切開して膿を排出します。
腐骨は取り除き、周囲の組織もきれいにした後、その部分に健康な筋肉などを詰め込みます。また、患部と体外を管でつなぎ、抗生物質の注入、吸引を繰り返し、患部の洗浄を行うこともあります。