骨にできる腫瘍で、骨や骨髄にできる腫瘍は肉腫といいます。がんの中では少ないものの、骨の悪性腫瘍の中では最も多く、ユーイング肉腫とともに骨の成長が活発な子供に多い病気です。
膝の関節付近は好発部位で、他にも肩や股関節にもみられます。初期の症状は患部の痛みに始まり、次第に腫れてきます。しかし、病院嫌いな子供は、痛みを我慢して言わないので発見が遅れがちです。気づいたときには肺などに転移が見られる場合も少なくなく、生命に関わる病気です。
<検査法>
検査は、血液検査、X線検査、CT検査、MRI検査などから骨肉腫を判断し、進行度や病気の広がりなど診ます。確定には組織を採取して顕微鏡を使って調べ(生検)、治療を決めていきます。進行した骨肉腫は患部が腫れあがり、肺やリンパ節などに転移している場合があります。
<治療法>
科学療法と外科療法を行います。化学療法は数種類の抗がん剤を組み合わせて使用します。主に使用されているのはアドリアマイシン、メソトレキセート、シスプラチン、イホマイドです。手術前に投与することで、腫瘍を縮小させたり、手術後に投与することで、小さな腫瘍に対して再発防止の目的で使用します。
手術は、周囲の筋肉を含めた病巣を切除します。最近では、広がりが大きいなどの一部の状態除いては、人工骨や自分の骨盤などの骨を移植して再建することで、切断せずに温存することが可能になりました。骨肉腫は5年以内に肺転移が起こる可能性が高いため、早期に発見することが大切です。