天疱瘡(てんぽうそう)は比較的まれな病気ですが、難病に指定されています。本来、体を守るために異物やウイルスなどに対してつくられる抗体が、自分の組織成分に対して抗体をつくることによっておこる自己免疫疾患です。
天疱瘡は、皮膚の表面である表皮の成分に対して抗体がつくられる病気で、表皮細胞が分離して皮膚に大小の水疱が多発します。多くは、尋常性(普通の)天疱瘡で、全身の皮膚や口腔粘膜が発赤し、痒みや痛みを伴う水疱がたくさんできます。水疱は次第に潰れてびらん状になり、感染しやすくなります。
<治療法>
天疱瘡は治療することでほとんどの場合、予後は良好ですが、治療を受けずに放置すると生命に関わる病気です。基本的にはステロイド剤の多量投与を行い、良くなってきたら、ステロイドの量を少しずつ減らしていきます。重症の場合はステロイド剤と併用して、免疫抑制剤や血漿(けっしょう)交換療法を行います。